自社のプロモーションにも!施主からネットで仕事を受注する【建設業界のWebマッチング:後編】
建設業界にも普及してきたマッチングサービス。
前編では職人と元請けをつなぐサービスを紹介したが、後編となる今回は、元請けと施主をつなぐマッチングサイトを紹介する。
元請けと施主のマッチングの方法としては、複数の元請けが自社の特徴をまとめたプロフィールページを公開しているものがあれば、施主が案件の依頼をネット上で公示しているものもある。
さらに、マッチングのみに特化したものもあれば、コンサルなども含めた事業のトータルサポートを会員向けに提供するサービスも存在している。
こうした特徴を見定めたうえで、自社に最適のサービスを選びたい。
施主へのアンケートをもとにマッチング精度をUP
【ジャーブネット】
【ジャーブネット】
URL:http://www.jahbnet.jp/
提供:株式会社アキュラホーム
料金:アキュラシステム導入済の場合は入会金25万円、月額13万円/アキュラシステム導入を含む入会金は175万円
※ネットワーク加入には永代ビルダー塾の受講が必要
※「アキュラシステム」は材料費などのコストを見直すための住宅建設合理化システム
ジャープネットは、200店以上の工務店が加入する“工務店ネットワーク”。
その規模を活かし、資材を安価に購入したり、ノウハウの共有、集客などが行われている。
そのジャープネットは、もちろんマッチングサービスも提供。
会員工務店と施主を繋ぐサービスを行っているのだ。
サービスでは“収納の家”といった希望条件など、施主に対してアンケートを実施。
その内容を踏まえたうえで、アキュラホームが施主をマッチングしてくれる。
ほかにも、サイト上には写真で案内する施工事例が、“長期優良・省エネ住宅”や“自然素材住宅”といったカテゴリごとにまとまっており、施主がそこから工務店を探してコンタクトを取ることも。
施工のこだわりや会社の特徴をアピールするうえで、工務店にとって良いプロモーションになりそうだ。
☆POINT
施主のアンケートをもとに、サービス元が案件を割り振ってくれるので、希望や条件面などで折り合いの付きやすい相手と出会える
建築家のニーズが高いマッチング特化サービス
【SuMiKa】
【SuMiKa】
URL:https://sumika.me/
提供:株式会社カヤックLIVING
料金:建築家・工務店・不動産会社…メッセージ返信500円、プロジェクト応募0円~3,000円、指名依頼の受注5,000円、資料請求の対応3,000円、制約手数料2~5%
SuMiKaはマッチングに特化したサービスで、元請けや職人を施主とつなげるもの。
建築家を中心に、工務店やリフォーム業者が“専門家”として登録されている。
この専門家として登録すると、施主による“専門家募集プロジェクト”に応募できる。
プロジェクトとは、施主がSuMiKaを利用して「新築・リノベーション」「リフォーム」「マイクロリノベ」の依頼を行うというもの。
予算やこだわり、要望、完成イメージなど、かなり詳細に要件が登録されているので、施主の希望をつかみやすい。
そのほか、専門家は過去の建築事例や自社のプロフィールを、同サービスのサイト上に公開できる。
このプロフィールページからは、施主からの相談を受け付けたり、資料請求に対応することが可能だ。
☆POINT
以前は建築家と家を建てたい人をつなぐコンペサイトだったせいか、現在でも住宅の新築やリフォームの案件が多い。専門家として登録するだけなら無料なので、住宅を得意とする建築家はぜひ登録しておきたい。
利用料タダですぐにでもネット受注が始められる
【建設発注サーチ】
【建設発注サーチ】
URL:https://order.team-sustina.jp/
提供:TEAM SUSTINA
料金:無料(一部サービスの利用にTEAM SUSTINA有料会員への入会が必要[個人事業者月額5,800円、法人月額9,800円])
住宅、オフィス、店舗の3ジャンルで、設計事務所や施工会社を施主とマッチングする。
サービスの登録料や利用料は不要。
成約手数料などの中間マージンもかからないので、予算をかけずにネット発注をはじめられる。
主に施工内容や条件などを元に自社を検索した施主に対して、設計事務所や施工会社のプロフィールページを公開している。
設計事務所や施工会社はプロフィールページに、対応可能な案件や重視しているポイントなどに加え、過去の実績を写真と文章で掲載できる。
このプロフィールページに登録できる情報量の多さが、サービスの大きな魅力だ。
☆POINT
利用料がかからないのが最大の魅力。ネットでの仕事の受注がどのようなものか、お試し感覚で始められる。有料会員になると、自社の表示をより目立つ位置に配置できる。
オークション形式のリフォーム案件マッチング
【ホームプロ】
【ホームプロ】
URL:https://www.homepro.jp/
提供:株式会社ホームプロ
料金:非公開
8年連続で利用者数NO.1(リフォーム産業新聞調査)を誇る、リフォームに特化した施主と施工会社のマッチングサービス。
仕事の受注はオークション形式となっており、施工会社は条件にあった案件に応札。
先着8社の情報が施主へと送られ、その中から気に入った会社に、商談の問い合わせが入る。
なお、会員会社はメール返信率を高めるためのポイント、お客さまから選ばれる会社ページの作成などについて、担当のエリアマネージャーからアドバイスを受けることも可能。
ほかにも、顧客満足度向上のためのセミナーに参加できるほか、顧客満足度優良会社には表彰なども行われる。
☆POINT
リフォーム特化だが平均受注単価は210万円と高く、簡単な修繕以上の仕事に巡り合える可能性が高い。利用者数が多いだけに、選べる案件の幅が広いのも魅力だ。
日本住宅リフォーム産業協会が運営
【JERCO】
【JERCO】
URL:http://www.jerco.or.jp/
提供:JERCO(一般社団法人日本住宅リフォーム産業協会)
料金:リフォーム事業者…ジェルコ入会が必要(入会金50,000円、年会費100,000円)
一般社団法人日本住宅リフォーム産業協会のホームページでは、全国501社(10月18日現在)の加盟企業を、エリアから検索できるコーナーを用意。
会員のリフォーム会社は検索でたどりついたユーザーに対して、自社のプロフィールページを表示できる。
プロフィールには得意な工事や対応可能物件といった情報のほか、リフォーム前後の様子を写真と文章で掲載できる。
後は、登録内容を気に入った施主から、問い合わせフォーム経由で資料請求や相談などの連絡が来るという仕組みだ。
☆POINT
会員はコンサルやマーケティングなど、マッチング以外でも事業のバックアップを受けられる。社団法人が運営するサービスのため安心感がある。
業界における傾向を見ると、今後は施主からのオンラインによる案件発注も増えるものと思われる。
こうした潮流に乗り遅れないことを第一に考えるなら、まずは【SuMiKa】や【建設発注サーチ】を利用するとよいだろう。
一方、コンサルなども含めて、事業についてのトータルサポートを求めているなら、【ジャーブネット】や【ホームプロ】、【JERCO】の出番となる。
自社の状況やITスキルなども見定めながら、最適なサービスを選べば、元請けにとってネット発注を取り込む良いきっかけになるだろう。